SPECIAL

TVアニメ『キリングバイツ』
12週連続インタビュー
第10回 小山力也(祠堂零一役)

――第10話の放送で少しだけ祠堂の人物像が見えてきましたが、これまで祠堂は底を見せない謎多き人物として描かれていましたね。どのように役作りをされましたか?

小山  あの凄みのある顔ですからメンタルが強い、相当腹が座っている人物だと考えました。きっと過去に愛する人を亡くしたとか何かしらの事件に遭遇して、大きな不幸を乗り越えて今ここに泰然自若としている…という風に勝手に想像しています。だからこそ凄惨な「牙闘(キリングバイツ)」でも、大抵のことでは動じないんでしょう。

――最初に原作を読まれた時、祠堂の第一印象はいかがでしたか?

小山  悪人とか善人とかそういった単純な人物ではなく、人によっては悪人に見えたり、ヒトミにとっては救いの神に見えたり、あるいは彼の本当の力を知る者には非常に恐ろしい人物に見えたり…という一筋縄ではいかない印象を受けました。存在感だけで周囲にプレッシャーを与えてくるので、一緒にお酒を飲んでもリラックスできそうにないですね。

――冒頭でも触れさせていただきましたが、今回放送された第10話では、若々しく明るい過去の祠堂が登場します。現在の祠堂とのギャップをどのように演じられましたか?

小山  私が想像している「過去にあった悲しい出来事」の、その前の頃の祠堂を想定しています。もちろん作中ではそれほど描写はありませんが、明るく人生を楽しんでいて、部下や現地の人たちとも普通に接する親しみやすさがあったのではないでしょうか。だから原種(オリジン)のヒトミに興味を持ちつつも、彼女を使って社会を変えようとか、大きな野望はまだ抱いていなかったのでは…とか考えながら演じました。

――そんな祠堂を演じての楽しさや、心掛けていることをお聞かせ下さい。

小山  役柄として自分と異なる人物を想像することは何でも楽しいです。祠堂みたいな強い人物は、自分がどっしり構えていないといけないので、小心者の地が出ないよう、憧れの姿を一生懸命演じました。ちなみに私と祠堂が似ている点は…ほうれい線が気になるところでしょうか(笑)。でも彼は顔に皺があっても、若いヒトミちゃんにモテて羨ましい。人間は顔だけではないということですね! まだまだ人生は諦めちゃいけない、と教えられました。

――『キリングバイツ』のアフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか?

小山  大先輩から若い人までたくさんいらして、この作品にとってはベストメンバーではないでしょうか。メインの皆さんはオーディオドラマから参加されているので、私も彼らに世界観や作品について教えてもらったりしています。

――これまでの収録で特に印象に残っているものはありますか?

小山  諏訪部順一さんのナレーションがぶっ飛んで素晴らしかった! 獣闘士(ブルート)の動物解説が圧巻で、中でも「カバは速い」のナレーションが特に印象に残っています。

――祠堂以外で気になるキャラクターはいますか?

小山  「カバは速い」の「ヒポポタマス」ですね! 他にも諏訪部さんのナレーションを聞きながら「兎はエロい」「鰐は(値段的に)高い」…と、それぞれの獣闘士たちに注目しては独自に研究しています(笑)。そして獣闘士たちを利用する人間の強欲さは、切って捨ててしまいたいですね。

――もし獣化するなら、何の生物がいいですか?

小山  私は人間でいたいです! 獣闘士になって利用されたくはないですからね。例え特殊能力を得ても「能ある鷹は爪を隠す」…なので、鷹がいいです。もう一つ「絶対に強い動物」としてシャチもいいですね。鷹とシャチの合成獣とか!? シャチの牙があれば「牙の鋭い方が勝つ」ですし、そこに鷹の翼があれば無敵じゃないですか。

――視聴者へメッセージをお願いします。

小山  アニメ好きの方は特に、ぐっと楽しめる作品だと思います。強いところと優しいところと、ちょっと「ウフッ♥」というところがあるアニメで、色々な作品を観てきた方々にこそ「これまでにない、激しい作品だ!」と驚いて頂ける内容です。『キリングバイツ』の持つあらゆる要素の激しさを、深夜にたっぷりと楽しんで下さい。