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TVアニメ『キリングバイツ』12週連続インタビュー
第3回(1)  fripSide(OPテーマ「killing bites」担当)

――早速ですが『キリングバイツ』の原作コミックをお読みになられた感想をお聞かせ下さい。

南條 私は動物が好きなので、獣闘士(ブルート)たちの戦いが楽しかったです。合間合間に入ってくる動物解説も面白く、一気に読んでしまいましたね。中でも「ラーテル」には「この状況でも負けないのか!?」と引き込まれて、気づくと大好きになって画像を検索していました。もちろん好きなキャラクターもヒトミです。どんな状況でも前へ進む姿が清々しかったり、耳だけ部分獣化した姿が可愛いかったり…。あと白と黒のカラーリングもカッコいいですよね。

八木沼 アクションやバトル描写が大迫力の作品ですよね。そして戦いに焦点を当てつつも裏で色々な策謀が蠢いているという、引き込まれるストーリー展開も魅力です。好きなキャラクターは「ヒポポタマス」の岡島です。動物って可愛いものもいれば獰猛で怖いものもいたり、色々な特徴があります。僕の中でちょっと抜けたイメージの河馬(カバ)が、そんな中に混ざって活躍していることに驚きました。しかも段々と「ヒポポタマス」がカッコよく見えてくる不思議!

――南條さんはキャストとしても尊 聖羅役でご出演されていますが、担当キャラクターの印象や演じる際の工夫をお聞かせ下さい。

南條 最初に「普段の私の声とあまり変わらない路線」というご意見を頂き、原作を読みながら役を作っていきました。今まで演じた中でも年上のキャラクターで、落ち着きのある女性です。凄みもありつつも、一方でチャーミングな部分もあるので、怖くはならないように気を遣いました。岡島に対しての言動など、権力争いの場でも人間として大切な部分を守っている人で好感が持てます。戦いの中でも凛として正しく在る、洗練された佇まいを見て欲しいです。

――そんな原作の印象を受けて、「killing bites」をどのようなイメージで作られましたか?

八木沼 この作品の雰囲気にマッチさせるには、いつものfripSideの電子的な音だけでは成立しないと感じました。電子音だけだと綺麗過ぎるというか…。そこでアナログ的なハードロックのアレンジに落とし込もうと考え、曲作りを始めました。メロディラインは普段のfripSideの路線ですが、ギターやドラム、ベースの作り方がかなり違っています。獣闘士が持つ野性の力を、ドラムのタム回しで表現したかった。詞は敢えて単刀直入な内容にしています。キャッチコピー「牙の鋭い方が勝つ」にもあるような、剥き出しの野性同士のぶつかり合いに作品の醍醐味を感じたので。

――曲名を「killing bites」とした意図をお聞かせ下さい。

八木沼 『キリングバイツ』の世界観を歌詞に落とし込もうとして、自分でも表現できたと思ったので、作品名をそのまま楽曲タイトルにしたかった。で、歌詞の確認を出す時にひっそりとタイトルまで入れていたのですが、一緒にOKが出て良かったです(笑)。

――そうして生まれた「killing bites」の楽曲・詞を初めて聴いた時の印象はどうでしたか?

南條 いい意味で「今までのfripSideっぽくない」です。動物の体温や血液や荒々しさを感じさせる、作品に寄った楽曲ができたと思いました。歌詞に「牙」「爪」といった言葉が出てきますが、これまであまり使わなかったワードで、これも今作ならではの一面です。ハード寄りとはいえfripSideの楽曲なので、ハードさは盛り込みつつもfripSideとしてブレずに歌おうと取り組みました。

――今作で特に注目して欲しい「聴きどころ」を教えて下さい。

南條 アレンジがいつものfripSideと大分違うので、まずはそこを聴いて頂きたいです。そしてTVサイズは勢い全開の印象ですが、2番に入るとまた奥行ができて雰囲気が変わるので、ぜひフルバージョンも聴いてみて下さい。

八木沼 普段のfripSideではロック色はなかなか出せないのですが、僕自身が元々ロックバンド出身なので、久しぶりに生ドラムを頭でシミュレートしながら作り「まだまだこの路線もイケるな(笑)」と感じました。普段開ける機会のない引き出しからアイデアを探したところが楽しかった。この曲でハード路線もありだなと気づかされたので、次のアルバムは獣化したfripSideが聞けるかも知れません。

――今作で新たに挑戦したこと、取り入れた技術等あれば教えて下さい。

八木沼 僕の個人的な挑戦としては、南條さんのボーカルが入った後のミックスダウンで、ボーカルを際立たせつつも、洋楽風のハードな印象も加えるように調整を重ねました。音から伝わる気合いを、ぜひリスナーの皆さんにも感じて欲しいです。

――「killing bites」は既にライブで披露されていますが、手応えはいかがですか?

八木沼 既にfripSideのリスナーは覚えて下さっていて、演奏のたびに「おおっ!」となってくれます。これからライブで育っていく曲ですね。できればセットリスト終盤の、一番おいしいところに持っていきたいです。

南條 ライブの演出も派手にしていて、早くも皆さんと盛り上がっています。この曲がfripSideのライブでどういった形で定着していくのか、今から楽しみです。

――ファンへメッセージをお願いします。

南條 fripSideの「killing bites」という曲が原作ファンにも、アニメの視聴者の皆さんにも聴いて楽しんで頂けたらいいなと思います。のちに発表されるMVでは衣装を考えさせて頂いているのですが、今回は「ラーテル」のカラーリングも意識しています。こちらもお楽しみに!

八木沼 TVサイズではカットされている、フルバージョンのアレンジもぜひ聴いて下さい。印象が変わって面白いはずです。「killing bites」は2月28日に発売予定ですが、初回限定盤に収録されるMVは『キリングバイツ』の世界観を表現した内容となっています。こちらも皆さんに楽しんで頂けると思いますので、ぜひよろしくお願いします!

――ありがとうございました。